2019年12月10日火曜日

公文書と安倍政権

いまさら、言う気にもなれませんが、この政権の公文書の扱いに見られるモラルの崩壊は底なしです。公文書は、人々の知る権利として、民主主義の基礎です。また、後世にとっては、歴史の一部であり、神聖なものです。こうしたものを自分の利益の為に、廃棄したり改竄することは、国民全体に対する最も罪深い犯罪行為でしょう。

自由と民主主義の正反対みたいに言われる旧ソ連ですが、そのソ連は、崩壊後、内部文書を正直に公開しました。それは、徹底したもののようで、英雄だったレーニンによる農民弾圧の事実までが、明らかにされました。ヨーロッパや日本などによる、革命干渉や食糧難など理由があったにせよ、当局にすれば、最も隠したい不都合な真実だったはずです。自国ソ連の失敗を、二度と繰り返さないために、歴史の資料にしてほしいという願いが、文書の公開をさせたのではないかと思います。おかげで、ここから引き出される教訓は、掛け替えのない貴重な価値を持つでしょう。

それに引き換え、日本軍は敗戦が決まるや否や、すべての公文書を、焼却しました。悪事を働いた自覚があるから、戦後の裁判を恐れたのでしょう。それをいいことに、「国が慰安婦に関与したなど、どこに証拠があるのか」などと言うのが、安部氏ら靖国派です。歴史を直視せず、自分に都合のいい事実だけをつまみ食いして、「日本は、朝鮮のためにいいこともした」などと主張する歴史修正主義に同調する安部氏にとって、公文書の隠蔽、破棄、改竄など、何でもないことなのでしょう。

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