中国は、アメリカに追い付き追い抜くほどなのに、一方で、ますます習近平の独裁的政治が際立っています。香港や、ウィグル自治区で、政治的抑圧に苦しむ人々の声は、抑えきれない程激しくなっております。昔、鄧小平氏が、改革開放の政策に舵を切り、市場経済の導入を始めた時、世界は歓迎し、自由主義経済が浸透すれば、いずれ自由と民主主義も進展するだろう、と楽観的な期待もありました。ところが、そうはなりませんでした。
商業の世界は、お金の力がすべてですから、平等が原則です。徳川幕府が滅んだのも、貨幣経済が発達しすぎたからです。ところが、中国の強権力体制は、貨幣経済が発達しても、弱まりません。なぜでしょうか。ここからは、私の勝手な推理です。
習近平氏が、権力を集中する過程で、激しい反腐敗運動があり、政界の大物が次々失脚しました。あれは、実は、本当のターゲットは、政界の大物ではなく、わいろを贈る側つまり、大資本家だったのではないでしょうか。つまり、中国に大資本が育ち始めた時、資本は次第に力を得て、政治家をお金の力で抱き込もうとしたでしょう。ここに、資本と権力の覇権争いが生まれたと思います。習近平氏は、反腐敗のキャンペーンのもと、資本を政治の支配の下に置くことに成功した、それが事の真相だったのではないでしょうか。
貨幣経済と強権政治が両立可能である、そういう極めて特殊な政治手法を生み出した、それが習近平体制ではないでしょうか。
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