2019年9月30日月曜日

低下する日本の評価

日本は、今まで、アメリカ従属などと批判されながらも、平和憲法のおかげで、戦争に加担せず、経済的な援助をもっぱらおこなうことで、それなりの評価を得てきました。おかげで、中東などでは、日本に好感を持つ人が多いと聞きます。

しかし、その日本は、今世界の評価を下げつつあるのではないかと、心配です。それは、例えば次の例です。
1.韓国との争い。その原因が、植民地時代の無反省。
2.温暖化問題で、石炭火力に固執している。
3.被爆国でありながら、核兵器廃条約に署名しない。
4.立憲主義を破壊して、戦争を可能にしかねない、戦争法を強行採決した。
5.世界の難民を受け入れない。

国連やG7等華やかな場面で活躍するかに見える安倍総理ですが、私は、その背後で起きている日本に対する評価の地盤沈下が心配です。これらは、長い間かけて築かれた日本の財産です。

2019年9月29日日曜日

オレオレ詐欺

NHKテレビの土曜ドラマ、「詐欺デカ」が、面白かった。特殊詐欺、いわゆるオレオレ詐欺を扱っていて、今の社会を反映していました。

詐欺集団は、会社のように、規則正しい、ルールに乗った「営業」集団である。セールス業のように、ひたすら電話をかけまくる。それは、苛酷な「労働」だが、彼らが、今まで経験した派遣労働より、ずっとましである。パワハラもないし、「労働」時間もずっとまともで、報酬もずっといい。そして、自分たちが犯罪集団であるという負い目にたいしては、「支店長」が、ちゃんと正当化する「理論」を用意している。今、いかに社会不正義と格差が生まれているか。その中で、金持ちはますますお金をもうけ、君たちは、いくら努力しても、今の苦しみから逃れることが、いかに絶望的に困難か、君たちは、いかに、そうした社会の犠牲者であるか。一方受け子と呼ばれる「社員」たちは、今まで、想像を絶するような悲惨な家庭で育ち、悲しい過去を背負って生きているから、支店長の言葉は説得性を持つ。自分たちは、追い詰められ、ある所から富を奪っているのだと。

格差不平等社会に対する大衆の怒りは、行き場がなく、そのはけ口を探し求めています。それが、世界各国の、ポピュリズムや、ナショナリズム、他国への攻撃、や犯罪になっているのでしょう。本当は、格差や不正を正す運動に向いてほしいのですが。

読み直して、今気づきましたが、支店長の説得は、テロ集団ISの言い分とそっくりです。

2019年9月28日土曜日

年金を壊すな

政府は、高齢化社会に向けて、新たな「全世代型社会保障検討会議」というものを立ち上げました。全世代型とは、要するに、今まで、高齢者ばかり重視してきたから、これからは、若者も考慮するといいつつ、世代間対立をあおって、結果として高齢者の福祉を削るのが目的にならねばいいと願うばかりです。わたしが、そんな見方をする理由は、検討会議のメンバーが、はじめから、労働者の代表などはおらず、財界等、福祉を削りそうな人ばかりだからです。例えば 経団連会長の中西宏明氏など。「識者」の誰だかは、早速、「うちでの小槌などない」のだからと、福祉の削減を予告しています。

政府は今、国民年金の最大使命である、最低生活保障という機能を、投げ捨てようとしています。「足りなくなるから、貯金をしておけ」、と。彼らそういう人の根底には、つぎのような考えがあるのではないでしょうか。それは、どうせ、今だって、たった6万5千円の年金だから、最低生活保障ができていないのだから、同じことだ、と。

それは、大間違いです。今、お金持ちの人おはは信じられないでしょうが、この6万5千円で、必死で生きている人が沢山いるのです。その人たちにとって、消費税増税や、マクロ経済スライドなど、年金の削減がどれほと苛酷なものか。

2019年9月27日金曜日

地方活性化の方法

大都市集中型の経済発展モデルから、脱却するには、それぞれの地方が、その地方独自の循環型経済をつくるべきだと、多くの識者がいいます。それにより、地方は、仕事を得、お金は都市に吸収されず、地方衰退は食い止められると。

では、地方循環型の産業とは何でしょうか。勿論、可能なら、工場の誘致も魅力的です、しかし、これは相手があることで、思うようにはいかないでしょう。すると、なんといっても、一次産業つまり、昔ながらの、農林水産業でしょう。しかし、これらは、TPP等自由貿易により、安い外国の産品に勝てません。だから、現在、これらは、どれも衰退の一途です。

私は、これら農林水産業は、政府の補助によって、支援すべき産業だと思っています。アメリカなどが、自由貿易の名のもとに、支援を批判するなら、はね返すべきです。それは、貿易の問題ではなく、国の在り方にかかわる主権の問題なのですから。

少しだけ、高いコメ、高い木材を買うことになるかもしれません。しかし、それにより、豊かな地方が維持できるのなら、安いものです。しかも、豊かな自然が保たれ、一石二鳥です。高いコメ、高い木材は、21世紀における、贅沢なのです。正しい贅沢は、地方を助け、消費を活性化させ、経済を発展させ、社会を発展させます。最新モデルの自動車ばかりが、贅沢ではありません。

2019年9月26日木曜日

地方の衰退

地方の衰退が止まりません。限界集落という、消滅寸前の山村が沢山あると聞きます。その原因は、都市集中と人口減少ではないでしょうか。その対策として、総務省は、「広域連携推進」を推進しているようです。それは、人口が減少すると、自治体を維持するのが困難になるから、今までの市町村をやめにして、圏域というより広い区分を推進するというものです。そうなれば、役所は遠くなるし、公的サービスも、減少するでしょう。

人口減少も、都市への人口の集中化も、政策によって、止まられるはずのものです。なぜ、それを目指さないのでしょう。思えば、この二つこそ、今後の日本の発展のキーポイントではないでしょうか。

詳しくは次回で。

2019年9月25日水曜日

世代的責任

スウェーデンの16歳の女の子グレタ・トゥンベリさん(16)が国連本部で行った、涙と怒りの訴えにより、温暖化問題は、人類の脅威という抽象的なものから、後の世代への、強欲と怠慢による犯罪へと変わりました。わたしたちはよく、「先祖から受け継いだ田畑を守る」という表現で、世代の責任を述べる。その世代の責任が問われています。

今のままだと、今世紀末には、地球が大変なことになる、というとき、私たち大人は、遠い先、どうせ自分は生きていない時代と、漠然と思っていないでしょうか。しかし、今の中学生や高校生にとっては、まもなくやってくる自分たちの未来なのです。

今回の国連の場に、60か国の国々が、自国の行動計画を持ち寄って参加しました。日本は、何一つ、提案なし、石炭火力をやめず、せっせと金儲け一筋、世界の足を引っ張る、その意味で、「強欲な犯罪者」の一味です。「恥をしれ」は、安倍総理ら与党政治家だけでなく、化石燃料にしがみつく資本家だけでなく、体制におもねるニュースばかり流すマスコミだけでなく、私たちに向けられている言葉です。

2019年9月24日火曜日

英語下手の日本人

大学入試をめぐり、英語試験に民間テストを利用することで、教育の現場に、不安や疑問が広がっています。英語の教育法は、一貫せず、ずっと揺れているのではないでしょうか。

それにしても、日本人は、どうしてこうも英語が苦手なのでしょう、それは、顕著な事実であり、それ自体、とても不思議なことです。色々理由はあるのでしょうが、どれも、十分な説得性を持つようには見えません。そこで、私の新たな説。

日本は、島国であったおかげで、大国の属国になったとか、国境を接している隣国と、常時交流があるなどの、経験に乏しい。日本人は、世慣れていない、外国人に対して、心を開くということができない。閉ざされた心、のままでは、いくら英語を勉強しても、うまくならない、これこそが、外国語を学ぶのが下手な原因ではないでしょうか。

心を開くとは、どういうことでしょうか。まず、相手へのリスペクトが必要です。日本人の韓国や中国に対する態度には、リスペクトが見られません。逆に西欧に対してはどうでしょう。ここにも、リスペクトがありません。あるのは卑屈さです。

つまり、日本人の卑屈と傲慢、これをすてる、これが英語教育のまずやらなくてはならない、前提条件ではないでしょうか。日本人は「対等」が苦手なのです。

2019年9月23日月曜日

台風の命名法

台風15号の被害の大きさが、徐々に明らかになってきました。おそらく、歴史に残る台風の一つでしょう。ところで、今まで、大災害をもたらした台風は、沢山ありますが、それが、台風何号だったか、ほとんど憶えていません。これは、台風〇〇号という、味気ない名前のせいではないでしょうか。

英字新聞を読むと、今回の台風は、Faxsai と呼んでます。これだと、覚えやすい。最近アメリカを襲った台風も、ドリアンという名前で、多分、かつてのカトリーナ同様忘れがたい名前です。日本も、占領当時は、ジェーン台風やキャサリン台風などと、名前を付けていた時もあります。

災害の記憶は、国民的教訓として、後世に受け継ぐべき大切な記憶遺産です。だとすると、台風の名前は、覚えやすいのがいいのでは。災害は、台風の名前と共に、記憶されるでしょう。

お役所は、台風〇〇号のほうが、合理的なのかもしれませんが、これから、頻発する台風は、重大な問題になってきそうです。ぜひ、命名法の検討を。

2019年9月22日日曜日

メキシコの壁と安保条約

メキシコの壁の建設の費用に苦しむトランプ氏が、日本などの基地予算を、流用する考えだといいます。本来、外国に基地を置かせてもらうだけでも、感謝すべきところ、いつの間にか、「お前の安全のために置いてやっている」みたいなことになり、様々な基地諸経費を負担させられ、高額な「思いやり予算」まで、とられていて、挙句の果てに、これです。基地予算が減った分の穴埋めを、いずれ日本と「相談する」と言ってます。

強者は、弱者に、高飛車であるのは、いつも同じです。かつて、日本も、朝鮮を植民地化しましたが、「お前の国を守ってやる」といい、今もって、「日本は、当時朝鮮の為に、いいこともやった」などと、当時の植民地政策を反省しておりません。

安保条約は、世界平和の為であり、日本を守っている、という作り話の嘘に、気づくべき時です。仮想敵をつくり、軍事同盟を結ぶ時代を、終わりにすべきです。
ASEAN諸国に見習って、大国依存の軍事同盟から、多くの国と友好関係を結ぶ、中立国であるべきです。

2019年9月21日土曜日

住居という基本的権利

アメリカ大統領選挙の民主党候補者のB・サンダース氏が、又野心的な政策を発表しました。それは、住宅問題についてです。住宅の確保は、基本的権利であるとして、すべての米国民に、まともで、利便性のよい、手ごろな価格の住宅を、保証するというものです。(housing for all)そのための予算は、およそ250兆円を、1%の富裕層からの税で賄うというものです。

日本では、国民は、家を買うことができても、一生ローンに縛られ、家を買うことができない人は、収入の半分近くを家賃にとられる、住居という基本的必需品が、生活を圧迫しています。これでは、いくら働いても、そのお金の多くは、再び、家の費用に吸い上げられ、結果として、土地や金融といった、巨大資本に、吸い上げられているのではないでしょうか。

一方、日本では、今、空き家がどんどん増えております。今現在、846万戸で、9軒に一軒が空き家だそうです。これらを、修理して再利用すれば、助かる人は沢山いると思います。しかし、そうはなっておりません。その原因の一つは、国が、税制その他で、こうした政策をバックアップするつもりがないからです。

政府は、マンションや住宅建築を促進して、大手ゼネコンなどの儲けを後押しするため、新築にだけ熱心なのでしょう。大手ゼネコンは、選挙では、票、お金、を援助し、お互い持ちつ持たれつの関係です。

2019年9月20日金曜日

原発事故判決に思う

東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣の3被告に対し、東京地裁(永渕健一裁判長)は19日、いずれも無罪(求刑・禁錮5年)の判決を言い渡しました。多数の犠牲者が出ていながら、誰も悪くない、自然災害だ、とは!
原発はそもそもリスク企業です。それは、はじめから覚悟の上で、自然との闘いに挑んできた、それが、科学技術です。その科学技術が健全に発達するためには、事故が起きれば責任をとるというのは、大原則のはずです。

そもそも、裁判所は、今まで、公正な裁判をしてきたのか、私は疑問です。明らかに違憲である(注)自衛隊が、堂々と存在できるのは、今まで、裁判所が、度重なる国民の訴えにも関わらず、決して「自衛隊は違憲である」とは言わず、のらりくらりと、逃げ回ってきたからです。最高裁判所長官は、時の首相が任命するのですから、司法は、行政にたいして、はじめから立場が弱いのです。

注)自衛隊が違憲である、と大多数の憲法学者が思っています。このことは、安倍総理が嘆き調子でよく言っています。

一方、行政は、大企業に弱い、今でも、東電等、電力各社は、原発事故の被害者に対して、賠償金をはらうことには、出し渋りをしていながら、自民党には、沢山の政治献金をします。だから政府は、原発再稼働をして、エネルギーを原発に依存する方針を改めようとしません。

今回の判決は、こうした大企業、国の方針に沿ったものであるのは、厳正な審査の結果なのか、私にはとても疑問です。

2019年9月19日木曜日

選挙とお金

アメリカの選挙を見ていると、政治資金を集める活動が、とても盛んなようです。人気のある候補者ほど、お金が集まり、派手な、集会をひらき、選挙が盛り上がり、お祭り騒ぎのように選挙を楽しんでいます。ことに、B・サンダース氏のような、良識派で、若者の支持が多い人は、大口の寄付でなく、多くの弱者からの寄付の上に、しがらみのない発言ができています。

日本には、政治資金の多くは、政党助成金という国民の税金に頼っています。政党は本来、公的な組織ではないのですから、そこに税金を使うことは、おかしいと思うのですが。それでも、足りないと、上野議員のような、不正や肩代わりが起きます。

アメリカ人は、教会などの影響で、チャリティーの文化があり、寄付が文化として深く根付いているように見えます。チャリティーのための様々なイベントを良く聞きます。ロックミュージシャンなども。こうしたチャリティーの文化が、選挙資金を支えているのではないでしょうか。

何も、アメリカのやり方が全部いいとは思いません。しかし、選挙にはお金やエネルギーがかかり、それを支えるためには、彼らは自らの乏しい財布を痛めながら、頑張っている、民主主義は無料でははない。一方、日本では、国民は政党助成金を払って、あとは、政治家におまかせ、これで、いいのでしょうか。


2019年9月18日水曜日

上野事務次官の口利き疑惑

上野宏史厚労省事務次官が、外国人労働者の在留資格を巡り、法務省に“口利き”し、その見返りに金銭を求めていたことが「週刊文春」の入手した音声記録から分かりました。様々な矛盾の中で苦しむ外国人労働者を食い物にしている点、何の説明責任も果たさず、辞任だけで、済まそうとしている点、などの問題以外に、私は別の問題を取り上げたいと思います。

暴露された録音によると、上野氏は、これで、業者からもらうお金を、自民党の党費に充てようとしていたといいます。問題はここにあります。

自民党議員は、党員獲得が義務付けられ、ノルマに達しないと、罰金があったり、次期選挙での、党の公認にも影響するなど、そうとう必死で、党員獲得をせまられるといいます。しかし、党員は、党費納入の義務がありますから、なかなか簡単には集まらないでしょう。そのようなわけで、党費を肩代わりすることで、気軽に入党してもらうことが、当たり前になっている、だから、口利きをしてまで、お金を集めざるを得なかった、ということではないかと、私は推測します。党員になれば、当然、選挙では、自民党に投票するでしょう。すると、次の次式が成り立ちます。
党費か肩代わり⇒入党⇒選挙で自民党に投票
これは、中間項を省くと、党費か肩代わり⇒選挙で自民党に投票
となります。これは、投票をお金で買う、選挙買収と同じでは?

2019年9月17日火曜日

「自衛権」という誤り

私たちが、法治国家として、安全な生活ができるのは、武力の権限を国家に集中して、個人レベルでの「力による紛争の解決」を認めないからです。それを世界規模に広げ、世界平和のために設立された国連も、又同じ思想です。つまり、武力の権限を国連に集中して、国家レベルの「力による紛争の解決」を認めません。

国連憲章の第1条
1・・・国際的の紛争又は事態の調整または解決を 平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

平和的手段だけでは不可能な場合、国連軍(集団的自衛)が発動されます。

この意味では、国連の考えは、憲法9条と同じです。
ただ、国連憲章には、残念ながら、本来の国連憲章の理念とは矛盾する、「自衛権」が、容認されてしまいました(第51条)。第二次世界大戦のどさくさの中でのことです。

第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない

特殊な歴史的経緯の中で、出来てしまった第51条は、明らかに、国連の理念と矛盾すると私は思います。国連そのものは、大国の利害を大きく反映した、まだまだ不完全なものです。今後、国連改革の中で、51条は見直してほしい。そうして、安部氏のように、「自衛権」を、何か当然の権利みたいにして、軍事拡大路線を正当化することが、誤っていることを、もっと主張すべきだと思います。

2019年9月16日月曜日

反核運動 ICANの新たな運動

ノーベル平和賞をもらったICANが、新たな運動を展開している、といいます。それは、核兵器製造にかかわる企業へ、金融投資をやめさせようとする、一種の消費者運動です。
Don't bank on the bomb   というそうです。
日本でも、反核医師の会という団体が、始めると聞きました。

核や環境の問題の背後にはどれも、利潤第一の多国籍企業が存在します。そうした巨大企業も、お客様には、立場が弱いでしょう。客あっての商売ですから。一方、世の中には、何か行動をしたいが、何をすればいいのかわからない、わかっても行動する暇がない、という沢山の人(消費者)がいます。そうした人でも、消費者の立場から、参加できる行動がありそうです。そうした企業に、顧客として、NO と言えばいいのです。例えば、そうした企業の製品を買わないなど。逆に、核や環境で、社会貢献度の高い企業の製品を買うようにするとか。

現在労働組合は弱くなりました。現在強いのは、消費者です。しかも、SNSを通じて団結できます。ここには、新しい、運動の可能性があるように思います。日本の政党も、少し研究してはどうでしょう。




2019年9月15日日曜日

スポーツ番組、多すぎ

今朝、毎週見ているTBSの関口宏のサンデーモーニングを見ようとしたら、マラソンの番組になっていました。他の放送もマラソンだらけです。オリンピック選考試合ということで、ビッグイベントなのでしょうし、ニュース価値も大きいのでしょう。しかし、そのために、ニュース番組が1っ回分消滅しました。

放送時間という限られたパイを、色々な番組が、奪いあいます。そんな中で、スポーツ番組が、やれオリンピックだ、やれラグビー世界大会だ、やれサッカー、バスケット、ゴルフ、相撲だと、増えつつあるのではないでしょうか。昔はサッカーなどは、マイナーなスポーツでしたが、Jリーグを作ったり苦労して、国民的人気スポーツになりました。私も好きで、大きな試合は見ます。ラグビーは、人気がいまいちですが、今、業界やメディアが一生懸命盛り上げようとしています。スポーツも多様化して、セーリングやスポーツクライミングなど、それは、国民が豊かになっている表れかもしれません。

しかし、そのせいで、政治に関す報道も少なくなり、国民の関心の度合いも、少なくなるとしたら、それは、民主主義の破壊です。すでに、そうなりつつあります。

ローマの為政者は、市民を満足させるため、コロセウムをつくり、剣闘士にたたかわせました。なにやらそれを思い出します。

2019年9月13日金曜日

漂流状態のイギリス

新首相ボリス・ジョンソン氏の「何が何でも10月中にEU離脱」は、すったもんだの末、来年1月までの延期に落ち着きそうです。決まらないイギリス、決められないイギリスと批判する人も多いかもしれませんが、私はそうは思いません。

問題は、アイルランドの国境問題など、解決策がない中で、これはという案がなく、国民の合意がどれかに収束できないこと、ここに最大の問題があるのではないでしょうか。そのような場合、じっくり考えるため、立ち止まる、それは、正しいことだと思います。何でもかんでも、多数決で「エイヤッ」と決めればいいという問題ではありません。

逆に、日本の場合を見ると、カジノにせよ、消費税にせよ、国民が反対しているのに、多数決で、しかも、見苦しい強行「採決」で、決めてきました。国民の合意なんて、お構いなしです。数の暴力がまかり通っています。

イギリスでは、緩い党議拘束のため、票決が揺れ動き、もたもたする、自由度があります。合意がないまま決まるのを防止する仕組みが備わっております。連日、イギリスの議会が、漂流しながらも、白熱した討議を続けてきました。そうした姿を見ながら、私は、成熟した、民主主義の歴史を感じます。「大切な問題は、拙速に決めない」、これも民主主義です。

それに引き換え、国会で、野党が質問をしているとき、総理は、薄笑いを浮かべながら聞いています。「どうせ、採決すれば勝つに決まっている!」その緊張感のない議会をみるにつけ、民主主義後進国の日本を痛感します。日本は、イギリスからもっと学ぶべきでしょう。

2019年9月12日木曜日

ボルトン補佐官の解任

トランプ氏の側近の、ボルトン補佐官という人が、解任されたというニュースを知り、「あー、よかった」と思いました。詳しいことは知りませんが、ボルトン氏は、ゴリゴリの保守強硬派で、第二回の米朝会談が、物別れに終わったのも、イラク核合意からの離脱にも、ボルトン氏の助言が影響していた、ということです。トランプ氏がボルトン氏を解任したということは、トランプ氏がそうした政策とは別の方向を模索している可能性があるということで、少し希望を感じます。

トランプ氏は、色々な差別主義者であり、地球温暖化をフェイクだと言い張る反科学であり、福音派という保守派の票欲しさに、極端なイスラエル派であるなど、数々の問題を持ちますが、少なくとも、軍事強行路線ではなさそうです。

狂った時計でも、1日2回は正しい時を刻むといいます。トランプ氏も、その狂った時計なのでしょう。(追伸:この面白い皮肉は、数日前NewsWeekにあったのを、使用させていただきました)

2019年9月11日水曜日

横浜カジノ、再び

カジノ誘致を公然と表明した林横浜市長は、カジノそのもののギャンブル性や、道義の問題を棚上げして、経済問題にすり替えようとしています。
横浜の財政の今後の見通しが暗い、IR誘致による税収増で、それが解消する、といいます。

しかし、問題はそんなことではありません。カジノの儲けは、多くのギャンブル者やその家族の不幸を代償とした、根本的にモラルに反する利益である、ということです。安倍氏は、むりやり道徳を教科として格上げし、強制しようとしていますが、IR法で、ギャンブルを公認することで、国家は、道義を語る資格を完全に失ったのです。

どこの国もやっているじゃないか、そんないいわけは通用しません。江戸時代は、御法度でした。思えば、江戸時代、賭博を禁止した背景には、儒学や朱子学を道徳律としたサムライの高い道徳性があったのではないでしょうか。

明治以降、なんでも西洋の物まねをする、西洋崇拝を見て、夏目漱石は嘆きました。今の日本も同じです。
丁半ばくちはだめで、ルーレットならいいわけがありません。清水の次郎長や国定忠治が生きていたら、どう思うでしょう。

2019年9月10日火曜日

台風15号がきた

台風15号、一昨日の夜、夢うつつに聞いた怒号のような風の音だけでも、今までにない凄さでした。次の日、歩道には、小さい木の枝や葉っぱが、おびただしく散乱していました。夜通し続いた暴風の殴打に、大きく揺れながらも、雄々しく、耐え抜いた、木々たちの、苦闘と勝利の痕跡と思いました。そして、歩きながら、そこはかとなく香ってくる木の葉の香、それがこんなにもいい香りであることに気づき、傷ついた樹木草木たちが、いっそういとおしくなりました。木々たちを苦しめた台風は単に自然の猛威と片付けられません。地球温暖化という点で、人間にも、責任があります。

昨年大阪、今年関東と、都市部を、最強クラスの台風が直撃しました。これは、単に台風進路の偶然の産物ではないでしょう。海水温が異常に高く、台風が日本に接近しながら、衰えるどころか、逆に強まる、まさしく温暖化によるものです。又、年中行事になりつつある線状降水帯による猛烈な雨と洪水も又、海水温度上昇によるものでしょう。

被害の惨状をテレビで見ながら、壊れた家屋や公共施設など、こうした災害による経済的ダメージは、相当なものではないかと、想像します。目先のお金にとらわれ、温暖化に関心の低い私たちは、温暖化も問題が、まさしくお金の問題であることを認識すべきときなのではないでしょうか。このままゆくと、台風はもっともっと強力になり、風速100mもあり得るとなんかで読んだ記憶があります。それは、放射能を別とすれば、核爆発並みの被害ではないでしょうか。

追伸)2005年のハリケーン、カトリーナは最大風速およそ80mといいます。


2019年9月9日月曜日

米中貿易戦争とは

米中貿易戦争が収まりません。それは、貿易戦争ではなく、覇権争いであるといわれております。そして、次の時代の覇権を左右するのは、5G(次世代通信規格)とか、第4次産業革命だとか、ソサイエティ5.0 等、色々な呼び名のついている、一連の新技術群であるらしいのです。その技術群で、どちらが主導権を握るかが、世界の覇者を決めるといわれています。

中ソの争いは、経済の不安定要因であり、困ったことではありますが、誰も、本当の戦争になる心配をしていない点に私は注目したいと思います。グローバル経済のおかげで、お互いの国に自国の会社を設立していますから、お互い人質を出している状態であり、そのおかげで、血を流す戦争はできません。

人類は、大変賢い動物ですが、残念ながら、力でしか解決できない問題は、まだ存在します。だから、第一次世界大戦、第二次世界大戦、と繰り返してきました。戦後、米ソの冷戦がありましたが、これも、お互い核軍拡競争をして、相手を押さえつけようとする、まぎれもない力による闘いでした。実際に核を使用できなかったのは、世界の反核運動の中で、政治的に、核を使用することが、許されなかったからにすぎません。それは、恐怖の均衡の上に成り立つ悲惨な世界でした。

その意味で、現在の経済戦争は、困ったことではありますが、二つの大戦や冷戦よりは、人類がより賢くなった時代の戦争なのかもしれません。私たちは、歴史上初めての、新たな形態の戦争を目撃しているのかもしれません。


2019年9月8日日曜日

若者の政治無関心

温暖化問題がこれだけ切迫した問題となり、当然のこととして、欧米でも、アメリカでも、政治の争点になっています。今回、民主党の大統領候補のB・サンダース氏が、野心的な温暖化対策を打ち出しました。

しかし、日本ではどうでしょう。前回の参院選でも、国民の関心は、福祉、年金、消費税等が中心であり、温暖化問題や核禁止条約などは、「票にならない」テーマとして、選挙の争点からは程遠い存在です。核や温暖化は、未来や理想に関係した問題で、本当は、若者がもっと関心を持つはずのテーマですが、そもそも日本の若者は、政治に関心が低いといわれています。なぜなのでしょう。

「地に足のついた議論をしなさい」、ということをよく耳にします。それ自体はもっともなことでしょう。独りよがりで、無責任で、観念的な議論は、誰もいやです。しかし、この言葉が、理想を語ることを抑圧したり、政治を語ることを封じたり、していないでしょうか。温暖化問題より、税金や年金の話のほうが地に足がついているのでしょうか。

確かに、現在、毎日食べて生きるのが大変な時代で、その意味で、地に足の着いた話=お金の話 が最重要です。そかし、このことが、温暖化や核の問題を後回しにしていいという理由にはなりません。ましてや、そうした話が「地に足がついていない」なんてことは、絶対にありません。こちらは、人類存続の話なのですから。


2019年9月7日土曜日

NHK番組ガダルカナルを見て

先日、NHKスペシャルで、ガダルカナル戦についての番組を見ましたが、日本の軍隊が、兵士をいかに粗末に扱ってきたか、知ってはいたつもりが,、改めて驚きました。作戦の為には、900人もの兵士が、みすみす追い詰められ「玉砕」するのを、「戦争に感情は不要だ」と、平気で実行する。しかも、詳細は外部に漏れないようになっているから、批判されることもない。

私は、前に、私たちは、原爆や空襲の被害者であると、同時に加害者である、と書きましたが、正確ではなかったように思います。日本の兵士は、現地の人に手をくわえた加害者でしたが、同時に、間違いなく、日本軍国主義の被害者でもあったと思います。つまり、日本兵は、加害者であったと同時に、被害者でもありました。日本兵が加害者であったのは、上からの逆らうことができない、命令によるものであることを考える時、加害者の面と、被害者の面とでは、後者が大きいと思います。

つまり、日本国民は、原爆だけでなく、侵略されたアジアの人と同じく日本帝国の被害者であるというのが正確と思います。その意味では、毎年8月15日の戦没慰霊の諸行事は、一億総ざんげみたいで、あれで本当に、南の島で、今も遺骨が眠っている兵士達の慰霊になっているのか、とても疑問です。

2019年9月6日金曜日

わが町

先日、近所のスパーで、魚を一匹、ぶらさげて、レジで並んでいたら、私の前に並んでいたおばちゃんが、「私のは沢山あるから、先にどうぞ」と、順番を譲ってくれました。

先日、駅前の(不法)自転車置き場に、自分の自転車を割り込ませようとして、うっかり隣の自転車を倒したら、将棋倒しに10台位次々に倒れ、やれやれと、思っていたら、即座に、周囲から2、3人の男子がやってきて、ちゃんと並べなおしてくれました。

先日、雨の日、図書館の入り口で、備え付けの、傘用ビニールカバーを、つけていたら、次の女性は、使用済みのビニールを、拾って、それを自分の傘用に、再利用していました。思うに、最近のノープラスチックのため、ビニールごみを最小限にしようと、協力していたのでしょう。

何事も、GDPやら、消費税やら、お金がすべてのような世の中ですが、ここには、お金では買えない豊かさがあると思います。私は、この目に見えない財産を大事にしたい。その基礎にあるのは、人権と平和を重んずる平和憲法ではないでしょうか。



2019年9月5日木曜日

戦前と似てきた

戦前、治安維持法やなんかで、言論の自由は封殺されましたが、実際に、言論抑圧の先頭にいたのは、官憲ではなく、国民、中でも、右翼、時流に乗っかるマスコミ、有名人ではないでしょうか。例えば、天皇機関説事件で、貴族院議員美濃部達吉氏が攻撃されたとき、その攻撃者は、右派勢力の大合唱であり、最期には、美濃部氏は銃弾を受け、容疑者は、たった懲役3年でした。恐ろしいのはマスコミも巻き込んだ大合唱の中で、右翼勢力が言いたい放題の雰囲気になることです。右翼の中には、天皇機関説など、まったく理解せず、「恐れ多くも、天皇を機関車にたとえるとは何事だ」などと激昂する者もいたということです。

今、それに似ています。例えば、黒岩神奈川県知事が、表現の不自由展に関して、公開中止を賛成しただけでなく、「平和の少女像」について「事実を歪曲した・・」とか、慰安婦の歴史的事実を否定する発言を、公然としました。知事としてです。ここには、無力なマスコミ、時流におもねる「識者」、強い自民党、があります。安倍政権のもとでは、もう何をいっても、大丈夫だという、言いたい放題の、異様な雰囲気があります。そして、一方では、良心的学者や研究者は、脅迫を受け、SNSでたたかれ、講演は中止に追い込まれています。こうした右派の大合唱を許さないために、中止になった表現の不自由展は、ぜひ再開すべきではないでしょうか。

これで、自衛隊が合憲と憲法に明記でもされたなら、勢いづいた、右翼、追随者、追随マスコミの大合唱は一段とつよまり、まず、良心的憲法学者の学説攻撃、教科書の大改訂、と次々新たな攻撃が始まるでしょう。そして、言いたい放題は、次にやりたい放題になるでしょう。そうなってからでは、おそい。

2019年9月4日水曜日

アメリカ銃乱射事件に思う

アフガニスタンの和平は、なかなかやってきません。よくは知りませんが、一つには、アフガニスタンは、多くのアラブ社会がそうであるように、氏族制度がまだ残っていることや、そうした氏族は、武器を所有していて、いつでも武装集団になることができる、社会全体から武装解除することが困難なのではないでしょうか。

アメリカで、なかなか銃の規制が進まないのは、ライフル協会のロビー活動が最大原因なのでしょうが、もうひとつ、アメリカ人民も又、アフガニスタンと同じく、武装解除を拒んでいるのではないか、と私は疑っています。アメリカがイギリスから独立戦争を勝利して、独立しましたが、当時、アメリカという国家も州も存在せず、民兵の集まりが、イギリスとたたかいました。今でいえば、武装集団です。だから、アメリカ合衆国憲法に、次のような修正を加えたのは、この成功体験が、あるからでしょう。

規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。<合衆国憲法修正第二条>

アフガニスタン、コロンビア、その他多くの所で、武装解除ができず、苦しんでいます。一方、フィリッピンなど、次々武装ゲリラが、武装解除しています。もしアメリカが、かつての建国へのノスタルジアやアイデンティテイにいつまでもしがみついているがために、銃の規制に反対するのなら、それは、やはり、武装解除を拒んでいるのではないでしょうか。

追伸)9月3日、米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会は、「全米ライフル協会(NRA)は、国内テロ組織である」とする決議を、全会一致で可決したそうです。やっぱり!





2019年9月3日火曜日

コロンビアの和平の危機

南米コロンビアで29日、左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)の元ナンバー2のイヴァン・マルケス氏が政府との和平合意を破棄し、武装闘争へ復帰すると宣言しました。コロンビアでは政府とFARCの内戦が半世紀以上続き、2016年に和平合意したばかり、17年には国連の監視の下で武装解除が完了し、元ゲリラ兵たちは社会復帰を進めていました。サントス氏は和平の実現を受け、ノーベル平和賞を受賞しました。

しかし、過去の犯罪行為を不問にする等、ゲリラへの寛大な処置に国民が反発、18年6月の大統領選ではサントス氏は敗れ、和平交渉に懐疑的なドゥケ氏が当選しました。

こうしたゲリラの社会復帰に不利な状況の中で、この2年間で、元活動家や元FARC兵士ら約200人が殺害され、我慢できなくなったイヴァン・マルケス氏らの、武装闘争復帰宣言となったようです。

もし、武装闘争が、拡大すると、今まで流した血は無駄となり、再び悲惨な内戦が始まります。すると、麻薬や貧困、難民が発生します。

実は、ニューヨークタイムズによると、和平の危機の陰には、別の要因があるようです。コロンビアの和平合意には、オバマ政権の強力な後押しがあったといいます。それを実行したのは、在コロンビア米大使バーナード・アロンソン氏でした。ところが、オバマ憎しのトランプ氏が大統領になるや否や、まず、和平維持に欠かせない、このバーナード・アロンソン氏を、切り捨て、別の人物にしました。和平和解が危機に陥った背景には、そうしたトランプ氏の、愚劣な政策変更があるようです。

今、中南米の多くの国は、貧困や麻薬など、政治不安を抱えています。この原因の一つは、過去のアメリカの内政干渉が原因です。だから、難民は、ある意味、アメリカが自ら招いたともいえます。そして、コロンビアで、またも、トランプ氏は、和平をこわし、難民の原因をつくっているのです。



2019年9月2日月曜日

デジタル日雇い

格差の問題とは別に、労働者の賃金が、上がらないという問題があります。かつては、毎年春闘といって、年度初めには、民間、官公労一緒のの賃上げ要求ストライキがあり、その時の景気の好不況を反映した賃金の上昇がありました。しかし、「総評」という戦闘的な労組ナショナルセンターは、世界トップに上り詰めた大企業集団の力で、ねじ伏せられ、結局、御用組合みたいな、労使協調路線の「連合」に置き換わりました。その結果、賃金は上がらず、お金の健全な循環が滞り、安部氏までが、経団連に、もっと賃金を上げよ、と言い出すような、官製春闘となってしまいました。

こうした変化の背景には、労組の問題だけでなく、産業構造の変化があります。製造業が減り、サービス業が増えました。労働者が油にまみれ、ヘルメットをかぶっていたころは、労働者は、集団の仕事も多く、団結しやすい環境がありました。しかし、自動化、電子化、サービス化が進み、労働者の職場は、集団から、派遣など、バラバラの仕事になり、団結が難しくなることで、必然的に組合は弱くなるでしょう。(労働者の交渉力の低下)

ILO(国際労働機関)の報告によると、世界の労働者の賃金は下がり続け、今後も、AIやIoT(物のインターネット)等の影響で、事態はもっと悪くなると警告しています。働き方改革で、フリーランスの労働者が増えつつあるといいます。フリーランスと言えば聞こえがいいが、お前は個人事業者だから、労働者ではない、ということで、今まであった労働者としての権利(最低賃金等)は、すべてなくなります。ウーバーという企業は、スマホのアプリを利用した、タクシーの仲介をすることで、巨大な利益を得ましたが、その裏には、「フリーランス」の運転手の低賃金があるといいます。ILOは、こうしたデジタル日雇い労働者が今後増大することで、労働者の状態は、19世紀の悲惨な状態に逆戻りする危険がると警告しています。

2019年9月1日日曜日

フェイスブックの申告漏れ

GAFAと呼ばれる巨大ITの、税逃れに対して、OECD諸国は、問題であるとして、その改善が確実に進んでいます。これにはアメリカさえ賛成のようです。

日本でも、ようやくFBJ(フェイスブックジャパン)が、5億円の税の申告漏れを指摘され、追徴課税1億数千万円を支払ったといいます。

税逃れの手口は、会計操作で、税の安いアイルランドで、税を払うようにすることのようです。どうして、それが可能なのでしょう。フェイスブックの収入は広告収入が大部分のようですが、日本の広告主は、フェイスブックと契約する時、FBJではなく、FBI(フェイスブックアイルランド)と契約するのです。だから、会計上は、税金はアイルランドに行きます。FBJは、わずかな仲介料をもらうだけですから、日本に入る税はわずかになります。
これに対して、税務署当局は、次の理由で、追徴課税をしました。FBJは、広告活動を日本で行っているのだから、広告収入もFBJに帰属すべきである、ということのようです。ここには、営業活動地で、営業収入に対する課税が行われるべきであるという、当然のことが主張されています。
こうした、巨大多国籍企業の税逃れの背後には、巨大ファンドと一握りの大資産家の、富の独占があります。歴史は今日も、少しずつ前に進んでいます。