2019年9月3日火曜日

コロンビアの和平の危機

南米コロンビアで29日、左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)の元ナンバー2のイヴァン・マルケス氏が政府との和平合意を破棄し、武装闘争へ復帰すると宣言しました。コロンビアでは政府とFARCの内戦が半世紀以上続き、2016年に和平合意したばかり、17年には国連の監視の下で武装解除が完了し、元ゲリラ兵たちは社会復帰を進めていました。サントス氏は和平の実現を受け、ノーベル平和賞を受賞しました。

しかし、過去の犯罪行為を不問にする等、ゲリラへの寛大な処置に国民が反発、18年6月の大統領選ではサントス氏は敗れ、和平交渉に懐疑的なドゥケ氏が当選しました。

こうしたゲリラの社会復帰に不利な状況の中で、この2年間で、元活動家や元FARC兵士ら約200人が殺害され、我慢できなくなったイヴァン・マルケス氏らの、武装闘争復帰宣言となったようです。

もし、武装闘争が、拡大すると、今まで流した血は無駄となり、再び悲惨な内戦が始まります。すると、麻薬や貧困、難民が発生します。

実は、ニューヨークタイムズによると、和平の危機の陰には、別の要因があるようです。コロンビアの和平合意には、オバマ政権の強力な後押しがあったといいます。それを実行したのは、在コロンビア米大使バーナード・アロンソン氏でした。ところが、オバマ憎しのトランプ氏が大統領になるや否や、まず、和平維持に欠かせない、このバーナード・アロンソン氏を、切り捨て、別の人物にしました。和平和解が危機に陥った背景には、そうしたトランプ氏の、愚劣な政策変更があるようです。

今、中南米の多くの国は、貧困や麻薬など、政治不安を抱えています。この原因の一つは、過去のアメリカの内政干渉が原因です。だから、難民は、ある意味、アメリカが自ら招いたともいえます。そして、コロンビアで、またも、トランプ氏は、和平をこわし、難民の原因をつくっているのです。



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