2019年9月29日日曜日

オレオレ詐欺

NHKテレビの土曜ドラマ、「詐欺デカ」が、面白かった。特殊詐欺、いわゆるオレオレ詐欺を扱っていて、今の社会を反映していました。

詐欺集団は、会社のように、規則正しい、ルールに乗った「営業」集団である。セールス業のように、ひたすら電話をかけまくる。それは、苛酷な「労働」だが、彼らが、今まで経験した派遣労働より、ずっとましである。パワハラもないし、「労働」時間もずっとまともで、報酬もずっといい。そして、自分たちが犯罪集団であるという負い目にたいしては、「支店長」が、ちゃんと正当化する「理論」を用意している。今、いかに社会不正義と格差が生まれているか。その中で、金持ちはますますお金をもうけ、君たちは、いくら努力しても、今の苦しみから逃れることが、いかに絶望的に困難か、君たちは、いかに、そうした社会の犠牲者であるか。一方受け子と呼ばれる「社員」たちは、今まで、想像を絶するような悲惨な家庭で育ち、悲しい過去を背負って生きているから、支店長の言葉は説得性を持つ。自分たちは、追い詰められ、ある所から富を奪っているのだと。

格差不平等社会に対する大衆の怒りは、行き場がなく、そのはけ口を探し求めています。それが、世界各国の、ポピュリズムや、ナショナリズム、他国への攻撃、や犯罪になっているのでしょう。本当は、格差や不正を正す運動に向いてほしいのですが。

読み直して、今気づきましたが、支店長の説得は、テロ集団ISの言い分とそっくりです。

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