2019年9月5日木曜日

戦前と似てきた

戦前、治安維持法やなんかで、言論の自由は封殺されましたが、実際に、言論抑圧の先頭にいたのは、官憲ではなく、国民、中でも、右翼、時流に乗っかるマスコミ、有名人ではないでしょうか。例えば、天皇機関説事件で、貴族院議員美濃部達吉氏が攻撃されたとき、その攻撃者は、右派勢力の大合唱であり、最期には、美濃部氏は銃弾を受け、容疑者は、たった懲役3年でした。恐ろしいのはマスコミも巻き込んだ大合唱の中で、右翼勢力が言いたい放題の雰囲気になることです。右翼の中には、天皇機関説など、まったく理解せず、「恐れ多くも、天皇を機関車にたとえるとは何事だ」などと激昂する者もいたということです。

今、それに似ています。例えば、黒岩神奈川県知事が、表現の不自由展に関して、公開中止を賛成しただけでなく、「平和の少女像」について「事実を歪曲した・・」とか、慰安婦の歴史的事実を否定する発言を、公然としました。知事としてです。ここには、無力なマスコミ、時流におもねる「識者」、強い自民党、があります。安倍政権のもとでは、もう何をいっても、大丈夫だという、言いたい放題の、異様な雰囲気があります。そして、一方では、良心的学者や研究者は、脅迫を受け、SNSでたたかれ、講演は中止に追い込まれています。こうした右派の大合唱を許さないために、中止になった表現の不自由展は、ぜひ再開すべきではないでしょうか。

これで、自衛隊が合憲と憲法に明記でもされたなら、勢いづいた、右翼、追随者、追随マスコミの大合唱は一段とつよまり、まず、良心的憲法学者の学説攻撃、教科書の大改訂、と次々新たな攻撃が始まるでしょう。そして、言いたい放題は、次にやりたい放題になるでしょう。そうなってからでは、おそい。

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