新首相ボリス・ジョンソン氏の「何が何でも10月中にEU離脱」は、すったもんだの末、来年1月までの延期に落ち着きそうです。決まらないイギリス、決められないイギリスと批判する人も多いかもしれませんが、私はそうは思いません。
問題は、アイルランドの国境問題など、解決策がない中で、これはという案がなく、国民の合意がどれかに収束できないこと、ここに最大の問題があるのではないでしょうか。そのような場合、じっくり考えるため、立ち止まる、それは、正しいことだと思います。何でもかんでも、多数決で「エイヤッ」と決めればいいという問題ではありません。
逆に、日本の場合を見ると、カジノにせよ、消費税にせよ、国民が反対しているのに、多数決で、しかも、見苦しい強行「採決」で、決めてきました。国民の合意なんて、お構いなしです。数の暴力がまかり通っています。
イギリスでは、緩い党議拘束のため、票決が揺れ動き、もたもたする、自由度があります。合意がないまま決まるのを防止する仕組みが備わっております。連日、イギリスの議会が、漂流しながらも、白熱した討議を続けてきました。そうした姿を見ながら、私は、成熟した、民主主義の歴史を感じます。「大切な問題は、拙速に決めない」、これも民主主義です。
それに引き換え、国会で、野党が質問をしているとき、総理は、薄笑いを浮かべながら聞いています。「どうせ、採決すれば勝つに決まっている!」その緊張感のない議会をみるにつけ、民主主義後進国の日本を痛感します。日本は、イギリスからもっと学ぶべきでしょう。
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