2019年12月3日火曜日

日本人のアイデンティティ2


私は、日本人の西洋コンプレックスは、明治以降、根強く今も残っていると思っています。だから、イチロー選手や大谷選手が活躍すると、異常なくらい喜ぶのだと思います。一方、韓国や中国に対しては高飛車です。

明治時代、文明開化が始まったばかりの頃は、西洋コンプレックスはもっと強かったのは、やむを得なかったでしょう。あの、夏目漱石だってそうでした。「三四郎」という小説で、田舎から汽車で上京中の主人公に、「先生」という人が、つぎのように、述べています。

・・・いくら日露戦争に勝って、一等国になってもだめですね。・・・まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない・・・

今、日本が、長い時間をかけて、西洋に追い付き、追い越せと、シャカリキに努力し、

経済的には何とか追い付いた今、冷静に考えると、私には、日本には、富士山いがいに、

自慢するものは、沢山あるのではないか、それに気づかないだけだ、と思います。

例えば、日本人の「和」は、平和とも少し違う、味わい深い意味があると思います。又は、「もったいない」というような、日本人のつつましい生活態度、日本人の繊細な美的感覚、これらは、西洋の文化とは別の、日本独自のもので、これからの、平和や環境の問題解決へむけて、日本独自の貢献ができるかもしれない、世界に通用する立派な文化価値をもっている、と思います。(続く)

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