2019年12月5日木曜日

日本人は、まだ未成熟だ

私が、日本の良さを再発見すべきだという時、何もナショナリズムの感情をいっているのではありません。歴史認識で共通基盤を持てないのは、どちらも、どこかで、借り物の知識で議論していないかを問うているだけです。

青春期になった若者が自我に目覚めて自分とは何かを問うように、日本人とは何者かを考えるべきだと思います。

例えば、武士道、サムライについて、考えます。数理経済学者の森嶋道夫氏は、道徳規範としての武士道にひかれていたようです。武士道は、ラストサムライなど、ハリウッド映画では、立派な国際ブランドです。確かに、黒沢明氏が描いた七人の侍の人たちは、人間としての魅力があり、僕も誇らしく思います。しかし、武士道の欺瞞性、偽善性が描かれた映画も沢山あります。
江戸庶民は、忠臣蔵を愛しましたが、それは何も、「忠義の心」という武士道を愛したのではなく、その底にある、人間としての誠実な生き方を愛したのだと思うのです。武士道ひとつとっても、様々な評価があります。その中から、日本人が、育てて今なお大事にしているホンモノの普遍的価値があると思うのです。それは、丁度、芭蕉が、日本人のある種の美を発見して、その美に「わびさび」という言葉を与えたような、創造的作業を要するでしょう。
(一部内容を変更しました2019.12.8)


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