2019年11月22日金曜日

自由平等友愛の友愛

ここ何年か人類学の発展が目覚ましく、人類学の本も、多く読まれているようです。長い間謎だった猿からヒトになる過程がわかり、介在する様々な類人猿の系列が明らかになりつつあるといいます。その背景には、精力的な発掘作業や、古い骨でもDNAが抽出できる技術や、古い骨のから小さい断片から全体像を推定することを可能にする学問の蓄積等々があるようです。

そうしたことから、重要なことが明らかになりつつあります。それは、この猿からヒトへの進化の過程では、心、言語、大きい脳の3つが互いに関係しあいながら、進化してきたということです。人間にしかない「心」は、そうした進化の産物だといいます。

森林での樹上生活から、草原での二足歩行になった時、足も遅く、牙もなく、カギ詰爪もない猿人は、弱者だから、お互い協力することが、生きる術でした。そうした中で、共感する心が進化したといいます。人間は、例えば、拷問みたいに痛めつけられる人を見ると、自分も痛みを受けたかのような苦痛を感じるのは、心理学でも確認されていて、これは、こうした進化由来の人間の本性だといいます。

現在の、核廃絶の運動の背景には、広島長崎の被爆者の話や、悲惨な写真や絵の力が大きいでしょう。これは、つまり、進化の過程で獲得した共感の力が、世界史に影響を及ぼしている、といえるのではないでしょうか。つまり、御先祖様の贈り物です。(続く)

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