2019年11月28日木曜日

自由2

封建時代とは、人間同士が何らかの結合状態であることで、社会は成り立っています。農民は、地域共同体であり、その上には庄屋などがまとめやくとしております。又、身分制度がありますが、この身分は、年貢という強制的収奪を正当化する、装置です。つまり、農民は、家族や一族、地域、身分、等の人間同士の結合が、社会をつくっています。

分業や貨幣経済が浸透することで、人は、所有という名の、財貨と結合をすることで、人間同士の結合状態から、解放されます。例えば、商家で、丁稚小僧になれば、旦那とは、主人-使用人という、お金で結ばれた関係です。他人の世話にならずに生きて行ければ、それだけ、自由の度合いは増えます。市場経済の発達とともに私たちが手にした自由は、「~からの自由」であり、それは尊いものではありますが、同時にそれは、ますますお金に縛られる自由でもあることは、否定できない事実です。商売をする資本もなく、農村を捨て都市にでた人は、自分の身体一つを資本にして、賃労働者として、働くしかありません。

人間は、自由を求めて市場経済というお金の社会をつくりました。しかし、そこで得た自由は、「お金の支配」という高い代償を払った自由なのです。封建時代、ずっぽりと、その社会にはまっていた当時の人々は、それがあたりまえで、自由がないなどと思いませんでした。だから、自由が何かも、わからなかったと思います。それと同じように、私たちも、実は、お金という拘束の世界にはまっていて、お金がもたらす自由を、自由と思い込んでいて、本当の自由とは何かが、分からないでいるのかもしれません。

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