2019年11月6日水曜日

トランプ氏とアメリカの孤立主義

トランプ大統領が、またも、世界に恥をさらしました。一年後の11月4日を期して、地球温暖化パリ条約を脱退すると、通告したといいます。ここで、私は、温暖化の問題ではなく、アメリカの孤立主義を考えようと思います。トランプ氏のアメリカ第一主義は言い換えれば、アメリカは世界の指導者であるより、自分の利害を優先する、というメッセージともとれるからです。更に言えば、アメリカは、国内の格差や中国との競争などで、もはや、自分のことで、手一杯の状態であるという、アメリカ資本主義の弱体化、のあらわれかもしれません。

アメリカは、モンロー宣言でも有名なように、もともと、孤立主義の傾向を持っています。資源豊かなアメリカは、ヨーロッパの複雑な利害に巻き込まれる必要など何もなく、悠々と単独で、繁栄を楽しむことができましたし、大西洋という防壁があるから、軍事的心配もありませんでした。だから、第一次世界大戦も、しぶしぶ参加したし、正義感の強いルーズベルトが、国際連盟を提案した時も、議会が反対して、大統領のメンツをつぶしました。第二次世界大戦ご、アメリカが、世界の指導者みたいになったのは、そうしないと、共産国ソ連の勢力が、拡大する恐怖があったからです。

今、ソ連は消滅しましたから、アメリカは、わざわざ世界に出向いて、何かをする必然性はなくなりました。こう考えると、トランプ氏の孤立主義には、私は、もっと慎重に評価しなくてはならない何かがあるかもしれない、とも思えるのです。(続く)

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