通称「ウポポ」という愛称であるという、200億円をかけた、この国立の「民族共生博物館」は、アイヌの人たちに分断をもたらしている、という記事を、ジャパンタイムズで知りました。
それは、民族意識に目覚めたアイヌの人にとっては、素直に喜べないようです。なぜか。それは、次の現実があるからです。2017年の調査で、アイヌは13000人だそうですが、本当はもっと沢山いるということです。それらの人の大学進学率は、日本人全体の半分で、収入も大幅に少ない。日本人はアイヌを受け入れないから、差別を恐れるアイヌの人は、アイヌであることを隠して子供にも教えない、自分がアイヌであることも知らない、そうした「サイレントアイヌ」が多数いるといいます。そして、今まで奪われた歴史に対する謝罪も、補償もない、そういう国が、突然に、「民族の共生」と称して、博物館をつくり、そこで、アイヌ文化を展示しても、アイヌの人にとって、観光の道具にされている、としか思えないのは当然ではないでしょうか。そこで、観光客の前で、アイヌの唄や踊りを演じるアイヌの姿は、私は、想像するだけで、哀れをとおりこして、怒りを覚えます。
もちろん、アイヌの人の中にも、民族博物館に、経済的メリットがあるということで、賛成の人もいるといいます。そこには、貧しい状況に置かれた人たちをお金の力で、説き伏せようとする、あの原発と同じ構図と、住民の分断があります。
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