先日、NHKの「ダーウィンが来た」という番組で、東京の銀座で燕が、一時絶滅かと思うほど減少したが、最近持ち直しているといっていました。その理由は、餌として、ミツバチが増加しているからだといいます。
なぜ、ミツバチが増加しているのでしょう。最近、ビルの屋上を利用して花や菜園を置き、加えてビルの冷却効果による省エネが期待できるといいます。そんな中、花が増えたことで、屋上を利用した養蜂も可能になり、おいしいハチミツを求めて贅沢な都会人たちが、あちこちで養蜂を始めているということです。
つまり、大都会⇒緑化⇒養蜂⇒燕の増加
これは、都市化という、反自然的現象(ビル)が、自然(燕)を復活させている、という逆説が起きていることを意味します。
私たちは、自然の中で、自然に生かされてきました。しかし、今は逆です。自然は、社会に生かされようとしています。人間の贅沢を満たす手段として、社会の中で自然は生かされようとしています。
遠い将来、自然はすべて破壊しつくされたとき、人間は、贅沢の手段として、人間のエゴイズムに合致する自然だけを再現するでしょう。いやそれはすでに始まっています。トキなど絶滅危惧種を必死で復活させようとしています。蛍を呼び戻そうとしています。「やっぱり自然はいい」等と言いながら。自然はそのようにしてしか生き残れないのでしょうか。燕の増加は、そのような悲しい自然の運命を象徴しているように思いました。
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