北朝鮮の金正恩体制の崩壊を望んでいる人は、多いのではないか。なぜなら、それは、独裁体制の終焉を意味するし、もっとましな政権ができて、国民も幸せになるし、日本など周辺諸国とも、もっと平和な関係ができるだろうと考えるからだ。しかし、そう単純ではないだろう。
仮に、金体制が崩壊したとして、新たな国家体制を構想する場合、次の二者択一をせまられるだろう。
1.中国との軍事条約を維持して、韓国とは合流しない親中国の独自路線を続ける。
2.中国との軍事条約を廃棄して、アメリカと軍事条約を結んでいる韓国と一緒になる。
国論がどちらかにまとまればいいが、そうでない場合、深刻な対立になりうる。すると、中国もアメリカも、陰で色々、「援助」をして、自国に有利な展開を画策するだろう。すると、内戦勃発の素地ができる。北朝鮮の人たちは、徴兵や戦争の経験のあるつわものぞろいである。武器が入手できれば、いつでも武装闘争をする能力がある。それは、最悪のシナリオだ。
独裁体制は、個人の資質によるものではないだろう。状況が独裁をつくるのだから、状況が変わらなければ、個人の首を挿げ替えるだけでは、問題の解決にはならない。
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