参院選が近づいている。人々は、党を考え、候補者個人を考え投票する。しかし、党議拘束の強い日本で、候補者個人を考えることに、どれほどの意味があるのか。次の例を考えてほしい。
例)「ドナルド・トランプ米大統領が野党・民主党の女性下院議員4人に「もとの国に帰れ」などとツイートした問題で、米下院は16日、トランプ氏の言葉を「人種差別的な発言」と非難する決議が、民主党から提案された。」
その結果が次のAである。
A) 決議案は賛成240票、反対187票で可決された。野党・民主党の全議員と与党・共和党 の4議員と、無所属で元共和党の議員一人が賛成票を投じた。ここでは、党議拘束がゆるいおかげで、身内である共和党議員の造反がみられる。
その結果が次のAである。
A) 決議案は賛成240票、反対187票で可決された。野党・民主党の全議員と与党・共和党 の4議員と、無所属で元共和党の議員一人が賛成票を投じた。ここでは、党議拘束がゆるいおかげで、身内である共和党議員の造反がみられる。
仮に日本のような強い党議拘束があれば、票決は、次のようになっただろう。
B) 決議案賛成236票、反対192票 決議案可決
どちらも、可決という点では、同じだ。しかし、AとBでは、伝わる情報量が格段に異なる。
Aでは、身内である与党の議員が4人も賛成に加わるということは、トランプ氏にとって痛手だ。票決の重さが、格段に増える。そして、残りの共和党員は、強いトランプ支持であることもわかる。また、各議員が真剣に考えたことも想像できる。
Bでは、党議拘束のベールに隠れて、議員個々人が真剣に考えたかどうかさえ、見えてこない。採決する前から、議院数が多い民主党の賛成で、議案が通るという結果はわかっている。議論そのものがむなしい。
民主主義の立場から、どちらがいいかは明らかだ。日本の議会はBだから、議会から得られる情報量は、極端に少ない。強すぎる党議拘束は絶対おかしい!
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