2019年7月23日火曜日

映画、戦場のピアニスト

ポーランド出身のロマン・ポランスキー監督による、少し古い映画、「戦場のピアニスト」を見た。ドイツ占領下での、ポーランドで、ドイツがユダヤ人をいかに残虐に扱ったかが、詳しく描かれている。それは、今更ながら、私たちに様々なことを考えさせてくれる。映像の持つ力を感じた。ポランスキー自身、類似の体験者だった。

日本兵も様々な、残虐非道な行為を、アジアの人々に行った。しかし、そのことを、教えてくれる映画を、私は、数えるほどしか知らない。日本の非道さを描いた映画では、高校時代に見た、「人間の条件」は、衝撃的で、その後の僕の人格の一部になったっと思う。2000年の中国映画、「鬼が来た」は、被害者の側から見た、日本軍が描かれており、今も深く心に残っている。

現在、若者は、ドイツのユダヤ人への残虐行為を告発する映画は見ているかもしれないが、自国の軍隊の残虐行為の映画をみているだろうか、そんな映画はないって?

実は、私は不勉強でよく知らないが、中国や韓国にはたくさんあるらしいし、被害者側がつくるのはより当たり前だろう。政治的なプロパガンダ映画もあるだろう、しかし、良心的映画で、ヒット作もたくさんあるのではないか、しかし、それらが日本で、上映されているのだろうか。よく知らない。わかることは、そうした貴重な情報から、日本の若者は遮断されている、ということだ。

自国の軍隊が、よその国で何をしたか、それを知ることは、これからのアジア親善の基礎だろう。しかし、安倍政権は、「孫子の代に、過去の負債を残さない」とか、「もう十分謝罪した」として、過去を語ろうとする学者や教育を「自虐的だ」と批判し、抑圧してきた。ドイツ人は、心から反省しているから、ナチス批判の映画を批判したりはしない。仮に、日本で今日本兵を告発する映画が作られ上映されれば、細かいあらさがしをして、この映画は、虚偽だ、などと、裁判を起こしたり、大騒ぎになるだろう。それが恐ろしいから誰もそういう映画を作りたがらない。

現在の、徴用工問題に対する、日本人の、安部氏への同調的雰囲気は、過去についての無知の上に成り立っていることを危惧する。無知の最も有害な点は、自らの無知に気づかず、為政者に踊らされることだ。

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