2019年7月8日月曜日

党議拘束制度と議会

普通の会議では、議論を十分したうえで、最期は、採決をする。本当は議論が深まって、全体一致でできるのがベストだろうが、普通そうならないから、採決して多数決で決める。議論の過程で、今まで原案に反対だったのが、賛成に代わることは大いにありうるだろう。議論はそのためにある。

しかし、国会では、党議拘束といって、党の決定通り、賛成反対の行動をしなければならないから、議論をして意見が変わることはない。もし、意見が変わって、党の方針に背く意思表示をすれば、あとで、懲戒とか、重い場合除名などの処分を受ける。党議拘束がある限り、国会の議決がどうなるかは、はじめからわかっている。議論は、世論喚起にはなるが、採決には、何の影響も与えない。だから、最期は、「議論は十尽くされた」として、採決動議がだされる、それに対して、野党は、まだ議論不十分といって抵抗するしかない。これは「強硬採決」をめぐる何度も繰り返される悲しい光景だ。
党議拘束があるのなら、採決の可否は、はじめからわかっているのであり、議論などは必要がないということになる。

アメリカなどの議会を見ると、与党共和議員が、原案反対に回り、トランプ氏の原案が否決されることが何回かあった。それでも、そうした議員は、懲戒処分等受けない。それだからこそ、議会に緊張感があり、議論も熱をおびるだろう。日本と同じ議院内閣制のイギリスだって、メイ首相の原案が、与党の造反で、否決されている。

日本のあまりにも厳しい党議拘束は異常ではないか。それは議会を形骸化させる。なんとかすべきではないか。


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