素粒子同士を高速で衝突させる装置である加速器は、物質の極限だけでなく、宇宙の始まりについても、解明できるといいます。そのためには、粒子速度は、ほとんど光速に近くする必要があります。装置が大きいほど有利です。
そのようなわけで、現在、スイスにあるLHCと呼ばれる加速器が、世界最大の加速器で、今まで理論的仮想粒子にすぎなかったヒッグス粒子の発見に成功してきました。これにより、現代物理学を支える標準理論も又、正しいことが確証されました。それは、輝かしい成果です。しかしながら、現在、宇宙物理学の側から、現代素粒子物理学に対して、標準理論を、根底からおびやかす重大な問題が投げかけられています。それは、宇宙には、私たちが知っているつもりの物質とは全く異なる物質が満ち満ちているらしいということです、それが一体何なのか、皆目わからないので「ダークマター」と呼ばれています。そして、ダークマターの存在そのものは確からしいのです。
実は、LHCには、このダークマターに関する何らかのヒントの発見が期待されていたのですが、結局それは見つからないようです。それで、もっと大きい加速器の必要がでてきました。それが次世代加速器です。それは、莫大なお金(5千億~8千億円)がいりますから、どの国も二の足をふんでいます。日本でも、岩手県と宮城県の県境に、計画がありますが、なかなか進行しません。
そこに、今、一番お金がある国、中国が名乗りをあげました。そして、この問題は単なる科学の話に終わらないのです(続く)
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