2019年10月7日月曜日

所信表明演説ごまかしだ

安倍首相は、首相所信表明演説で、かつて、第一次世界大戦直後の、パリ講和会議において、日本全権代表の牧野伸顕は「人種平等」を提案した、と述べました。それは、カリフォルニアなどにおける日本人を含んだ多くのアジア系入植者に対する人種差別を反映したものだったのでしょう。

しかし、安部氏が、これに続いて、次のように言うとき、それは、真っ赤な嘘です。
「世界中に欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は、各国の強い反対にさらされました。しかし、決して怯(ひる)むことはなかった。・・・ 日本が掲げた大いなる理想は、世紀を超えて、今、国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則となっています。」

これだと、日本は、世界の植民地化に反対し、パリ講和会議で孤軍奮闘していたかのように見えます。その実、本当は、日本軍国主義者たちは、「大東亜共栄圏」をかかげ、アジア各地を侵略して、日本の植民地にしていたのです。そして、当時も今も、歴史修正主義者達は、日本の植民地主義を決して認めず、欧米の植民地からアジアを解放したのだと、言い張ります。安倍氏の同じ考えだから、こういう風に言えるのでしょう。

歴史の一部だけをつまみ食いして、日本の侵略の歴史を隠蔽する、それがために、いつまでも韓国と和解ができていない、その原因である、悪質な歴史のごまかしを、所信表明演説で述べているのです。



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