まず、次世代加速器の大きさがすごい。現在の最大の加速器、つまりスイスにあるLHCは、ヨーロッパの共同事業です。円形型の加速器で、その大きさは、丁度山手線くらい全周27㎞といいます。これに対して、次世代加速器は全周100㎞と、4倍の大きさです。これは、ピラミッドより巨大な、万里の長城をのぞけば地球最大の建造物となるでしょう(地下なので、見えませんが)
現在のLHCもそうですが、世界中からの科学者技術者の総力を挙げての事業になります。幸い、加速器は戦争兵器には、直接的関係がないので、国際協力が可能なのでしょう。間違いなく、中国は最先端の高エネルギー物理学の世界の中心になります。習近平氏が唱えた一帯一路構想が、世界覇権の経済的象徴なら、次世代加速器は、科学における世界覇権の象徴となるでしょう。
しかし、ここにひとつ問題があります。こうした巨大で複雑な事業が成功するためには、自由でオープンな発言や、徹底した透明性を必要としますし、科学者たちは、そこにおいて、妥協しないでしょう。つまり、巨大加速器は、同時に「自由と民主主義という文化」なしには、生まれえないことは、おそらく確かだと私は思います。このリトマステストに、中国は、パスできるかどうか、今まで、カネと権力の力で、我を通し、そこそこに成功してきた中国ですが、真理探究の世界で、それが通用するかどうかが試されるでしょう。
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